管理人の独り言 Vol.047

The Look Of Love: The Burt Bacharach Collection
1960年代から70年代を中心に、数多くのヒット曲を多くの歌手達に供給してきた作曲家バート・バカラック(1928〜)の作品集です。3枚のCDを可愛いパッケージに収めて1998年に発表されたもので、彼の初期(1957年)の作品から、1996年のエルヴィス・コステロとの作品まで、75曲を年代順に並べたものです。ディオンヌ・ワーウィックと組んでの沢山のヒット曲や、映画音楽など、多くの有名な曲がオリジナル音源を使って収録されています。彼の産み出すサウンドは、じつにお洒落でなおかつ古臭くならない、まさにスタンダードと言って良いものばかりです。このパッケージのタイトルとなった The Look Of Love (Dusty Springfield)、カーペンターズを始め多くのアーチストによって歌われた (They Long To Be) Close To You、ビートルズもカバーした Baby It's You、ディオンヌ・ワーウィックが歌う Walk On By や Do You Know The Way To San Jose、映画音楽では『カジノ・ロワイヤル(旧い方)』のテーマや『リバティ・バランスを撃った男』のテーマ、Christopher Cross が歌う『アーサー』のテーマ等々、とても書き切れません。個人的に印象深いのは、Cilla Black を起用した「Alfie」です。Cilla Black は、リヴァプール生まれでキャバーン・クラブで働いていて、ブライアン・エプスタインに見出されて歌手になり、リヴァプール出身者としてはビートルズに次ぐ通算セールスを誇る人気歌手(当時のリヴァプールサウンドのどんなグループよりも、だそうです)になったんだそうです。その彼女がジョージ・マーチンにプロデュースされていた縁で、Abbey Road Studio で、バート・バカラックが指揮するオーケストラと一緒に(つまり、一発録りで)録音している映像を見た記憶が強烈で、何度も何度も歌い直している姿と、レコーディング現場でのバート・バカラックの集中した顔は、彼の創り出す音楽や普段の柔和な顔とは全く違う、鋭く引き締まったものでした。その「Alfie」は、じつに素晴らしく壮大な作品なのですが、なんと曲の長さは2分39秒しか無いんですね。これぞまさにポピュラーソングの有るべき姿であり、凝縮され、無駄をそぎ落としながら、何ら欠落感の無い見事に完結した作品であります。このパッケージに収められた他の沢山の作品たちも、じつに聴き易く、楽しく、スラスラと出来たかの様な印象を持たれるかも知れませんが、恐らく、大変な努力と集中力で創り出されてきたものばかりなのではないかと思います。そして、リスナーにはそんなことを微塵も感じさせない、まさにポピュラーソング作者の鑑、それがバート・バカラックです。ちなみに近年は映画『オースティン・パワーズ』に本人役でチラっと登場したり、エルヴィス・コステロとアルバムを出したりしております。
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